8/27放送 有吉佐和子文学受賞者(宮本さん)①

2025年8月27日

☆本日の放送はこちらからお聴きいただけます☆

令和7年1月に募集をして6月に授賞式が開かれた第2回「有吉佐和子文学賞」
そこで奨励賞に選ばれた、和歌山市和歌山信愛高等学校の宮本紗希さんにお話を伺います。

Q 受賞されたとのこと、おめでとうございます。
ありがとうございます。

Q 応募した作品が受賞されたと聞いた時はどんな気持ちでしたか?
正直、ビックリしました。通知が届いた時はとても薄い封筒だったので落選のお知らせがきたと思い、ガッカリしました。開封してまさかの受賞!本当に驚きました。

Q 書くのに時間がかかった、何度も書き直して大変だったことってありますか?
書くのには1ヶ月くらいかかったと思います。私は読んだ人におもしろいと思っていただきたかったので、最後まで飽きずに読み進められる展開を作るのに苦労しました。

最初は将来の夢について考えてみようと思い看護師になりたい気持ちを文章にしてみましたが、うまく書けませんでした。
それならば、和歌山への想いを自由に文章にしてみようと、新たに書き直しました。

表彰式は英検の試験が重なってしまい、残念ながら出席できませんでしたが、母に代理出席をしてもらいました。当日、有吉佐和子先生の娘である有吉玉音先生が来賓されており、式後に私の作品を「おもしろかったです。和歌山のことを本当に好きな人が書いたのだと思いました。」と感想を聞かせてくれたそうで、とても嬉しく感じました。

Q もともと宮本さんは文章を書くことは好きだったのですか?
いいえ。でも、中学生の時に担任の先生に「あなたは面白い文章を書くね」と言っていただいて、自分ではあまりそういう自覚はなかったのですが、内心悪い気はしなくて、書くこともあまり苦手ではなくなってきました。

Q 今回、せっかくなので、受賞された作品の一部を読んでいただいてもいいですか?タイトルからお願いします。

「日本のアマルフィにて」
和歌山県和歌山市
和歌山信愛高等学校二年
宮本 紗 

「古代魚じゃないの?」
 そこで販売されていた巨大な物体を見て、私は思わず声を上げた。場所は和歌山市の雑賀崎漁港。ここではとれたての新鮮な魚を漁船から直接買うことができる。休日に母に連れられて、もう何年もここに通っている。今までに真鯛、黒鯛、ヒラメ、イトヨリ、カマス等色々な種類の魚を見てきたが、初めて見る魚体だ。漁師に尋ねると、
「今まで獲れたことがない。名前も食べ方も分からない」
 と言われたものだから、母とその魚を買うべきか否か思案していた。そこへ通りかかった男性が、「トラスズキじゃないかな、高級魚だよ」と教えてくれたので、母は即決で購入を決めた。通常はビニール袋に魚と氷を入れて渡されるのだが、サイズは百センチ位、重さは十キロ程ありそうな巨体であったためか、和歌山市指定家庭用ごみ収集袋に入れて渡された。母に車まで運んでほしいと頼まれたので、仕方なく胸に抱えるようにして歩いていると、買い物帰りの人々に物珍しそうに覗き込まれたり、近くにいた漁師にクスクス笑われたりした。(略)

ありがとうございました。

有吉佐和子文学賞
第2回有吉佐和子文学賞実施結果

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